健康で長生きする秘訣(家庭血圧測定の勧め編)

 皆さんはご家庭に血圧計をお持ちですか? 我が国の高血圧者の総数は4000万人に及び、今や国民病と呼ばれ、国民の高齢化に伴って今後も増加すると予想されています。高血圧はなぜ悪いのでしょうか?高血圧を放置していると、動脈硬化が進み、将来脳卒中や心筋梗塞など、重篤な病気を引き起こす危険性が高くなるからです。
 若い頃は正常血圧であっても、血圧は年齢を重ねるごとに上昇することが多く、気がつかないうちに高血圧になっていたという方がたくさんおられますので、機会があるごとに血圧をチェックする必要があります。市役所や公民館などに血圧計が置いてあったら、必ず測るようにしてください。健康診断などで血圧が130mmHg以上ある方やご家族、ご親戚に高血圧の方がおられたら、ご家庭にも血圧計を置いていただいて、血圧を測っていただくことをお勧めします。 
 ご家庭で血圧を測るに当たって注意点がいくつかあります。まず血圧計を買うときは、上腕で測るものを買ってください。手首や指先で測る器械も出回っているようですが、あまり正確とは言えませんので、日本高血圧学会では上腕で測るものを推奨しています。血圧を測る前に排尿を済ませ、1〜2分安静にしてから座った状態で、マンシェット(腕に巻くもの)の位置を心臓の高さに合わせて測ってください。測る時間帯については、日本高血圧学会は、朝起きて1時間以内と、夜寝る前(入浴後1時間以上経ってから)の2回を推奨しています。それに加えて、可能なら日中にも安静にできる時間帯に1〜2回測っていただくと、より参考になると思います。血圧は常に変動していますので、1回の測定につき、数回測られることをお勧めします。家庭での血圧の基準は病院での値より低く、正常血圧は125/80mmHg未満と定義されており、130/85mmHgを越えると高血圧ということになりますので、130mmHgを越えることが多い方は、お近くの医院にご相談ください。