健康で長生きする秘訣(骨粗鬆症編)

   今回は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)についてお話したいと思います。人間の骨は常に新陳代謝をしており、常に古い骨を壊しながら新しい骨を作っています。若いうちはこのバランスが取れていますが、加齢や生活習慣の乱れがあるとこのバランスが崩れ、骨の量が減って、骨が痛んだり骨折しやすくなります。この状態が骨粗鬆症です。現在わが国には1000万人の患者さんがいると言われており、人口の高齢化に伴ってその数は増える傾向にあります。特に背中が曲がったり、若い頃より身長がかなり低くなっている方は骨粗鬆症の恐れがあります。骨粗鬆症になると骨が折れやすくなりますので、ちょっとつまずいて手をついたりした程度でも骨が折れる場合があります。太ももの付け根の骨が骨折すると歩けなくなり、寝た切りの原因にもなります。
 ではどういう方が骨の量が減りやすいのでしょうか? カルシウムの摂取量が少ない、スナック菓子、インスタント食品、お酒やコーヒー、炭酸飲料、タバコの量が多い、あるいは屋外に出ることが少なく、運動する習慣がない方は骨粗鬆症になる危険性が高くなります。
 これを防ぐためには今述べた悪い生活習慣を是正し、カルシウムの豊富な食品(乳製品、魚介類、大豆、ヒジキ等)を多く摂り、日光を浴びて(昼間に30分ほど外にいる程度で十分です)運動する習慣をつけることが大切です。日光に当たると、腸からカルシウムを吸収するために必要なビタミンDが作られ、運動は骨に力をかけることで、骨を強くする効果があります。過度のダイエットは、栄養不足、特にカルシウム不足の原因になり、骨量の減少を招きますので、止めてください。
 これでも効果がない場合は、お薬を飲む必要がありますが、一度減った骨の量が大幅に増えることは期待できませんので、骨の量があまり減らないうちに早めの対処が必要です。
 特に女性の方は要注意です。女性ホルモンが骨を守る働きをしますので若いうちは問題ありませんが、更年期を過ぎると女性ホルモンが大幅に減るため、骨粗鬆症になりやすくなります。これは避けて通れない宿命ですので、これを防ぐためには若いうちから今述べたようなことを実行し、骨の量をできるだけ多くしておく必要があります。こうしておけば閉経後に骨の量が減ってもすぐには骨粗鬆症にならずに済みます。40歳を過ぎたら一度ご自分の骨量を確認しておくことをお勧めします。毎年行われている久留米市の健康診断で骨粗鬆症の検査が受けられますが、受けられる方の年齢に制約がありますので、お近くの医院にご相談ください。