健康で長生きする秘訣(動悸編)

 よく「動悸・息切れ」という言葉を耳にしますが、皆さんは動悸を感じたことは ありますか。「動悸」とは心臓の鼓動(ドクッドクッという感じ)を不快に感じることを言います。普段、私たちは心臓の鼓動を感じることはほとんどありませんが、次 にお話するような場合には動悸を感じることがあります。
ひとつは前回お話した「不整脈」です。動悸を感じた時は、手首に反対側の手の指を 当てて脈をとってみてください。このとき脈に乱れがあったり、いつもに比べて非常 に速い場合は不整脈が原因と思われます。すぐに治まれば問題ないことが多いですが、長く続いたり再々起こるようなら、お近くの医院にご相談ください。脈の乱れがなくても動悸をうつことがあります。体位の変換(急に立ったり横になる 等)や入浴、飲酒、喫煙、精神的な不安や緊張、運動時などに起こることが多いですが、これは血圧の一時的な変動に対する代償、あるいは自律神経の緊張等によって起こるものですので、めまいや息苦しさなど他の症状を伴わずにすぐに治まるようなら 、まず心配いりません。
運動したときは誰でも動悸が起こるものですが、これが病気なのかどうかは、動悸が起こるまでの運動量が一応の目安となります。階段を3階まで、あるいは駅の階段を休まずに昇れたらまず問題はありませんが、動悸息切れのために途中で休まなければ ならない場合は注意が必要です。ご高齢の方は、同年代の方と一緒に歩く時に、足腰に問題がないのに、動悸息切れがして自分だけついて行けない場合は要注意です。こういう場合は、心不全や肺疾患、貧血などが疑われます。ただし、太っておられる方、例えば標準体重より10kg重い方は、いつも10kgの荷物を背負って歩いているのと同じですので、病気でなくても動悸息切れが起こります。また運動不足の方も動悸息切れが起こりやすいので、思い当たる方はできるだけ運動する習慣を身につけてください。