糖尿病について

 
生活習慣病の中でも、肥満には特に気をつけなければいけません。食事の欧米化と車社会の影響で、若年女性以外は、男女とも各年代で体重が増え続けています。肥満はなぜいけないのでしょうか?肥満になると、高血圧になるばかりでなく、糖尿病になる危険性も高くなります。糖尿病は特に恐ろしい病気で、放っておくと腎臓が悪くなって血液透析を受けなければならなくなったり、壊疽のために四肢の切断が必要になったり、目が見えなくなったりする恐れがあります。そればかりでなく、動脈硬化も進行し、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な病気も併発するようになります。糖尿病の症状の特徴として、口渇、多飲、多尿というのがあります。これは、血液の中の糖分が多いと、浸透圧がかかって尿がたくさん出るので、のどが渇き、たくさん水分を摂るため、その結果としてますます尿がたくさん出るというものです。しかし、これはかなり重症になってから起こる現象で、発症初期には症状がありませんので、定期的に健康診断を受ける必要があります。糖尿病は、空腹時の血糖が126mg/dl以上、あるいは随時血糖(食事に関係なく測った値)が200mg/dl以上ということが別の機会に2回以上認められると診断されますが、これも病気がある程度進行してからのことで、糖尿病の予備軍はこれだけではわかりません。これらを見分けるには糖負荷試験が有用と言われています。これは一定量の糖を飲んでいただき、それに対する反応を経時的な採血、採尿で調べる検査です。この検査で糖に対する抵抗力やインスリン(体内で糖を利用するホルモン)の分泌能など、病態が詳しくわかります。ちなみに、糖尿病は糖負荷の2時間後の血糖が200mg/dl以上、その予備軍は、空腹時血糖が110mg/dl以上か2時間後の血糖が140mg/dlを越えると診断されます。2時間ほどで終わる検査ですので、疑わしい場合は躊躇せずに是非この検査を受けて下さい。