健康で長生きする秘訣(狭心症編)

  今回は狭心症についてお話します。狭心症は、心臓の筋肉に血液を送っている冠動脈という血管の障害によって起こる病気です。狭心症の発作は一時的なもので、5分から15分ほどで治まり、その後は何ともなくなるのが普通です。しかし、よくなるからといってこれを放置していると、悪化して心筋梗塞という生命に係わる病気に移行する恐れがありますので、病気を早く見つけて治療することが大切です。狭心症を疑うきっかけは、何といっても自覚症状です。症状としては発作的に起こる胸の痛みが特徴ですが、キリキリやズキンズキンとした痛みではなく、胸が締めつけられる、あるいは圧迫されるなどの漠然とした痛みのことが多いです。痛みの場所は胸に限らず、のどが詰まった感じがしたり、奥歯や肩が痛んだりすることもあり、臍から上の発作的な痛みは狭心症の可能性がありますので、注意が必要です。
 この病気は動脈硬化が原因で起こることがほとんどです。高血圧や糖尿病、メタボリック症候群、脂質異常症(悪玉コレステロールや中性脂肪が高い、あるいは善玉コレステロールが低い)、や喫煙、中年以降の男性、更年期以降の女性、あるいは親、兄弟に狭心症の方がおられる場合などが動脈硬化の危険因子と呼ばれ、これに当てはまる数が多いほど動脈硬化が進行しやすいと言われています。従って、危険因子の数が多い方が前に述べたような胸痛発作を感じたら、狭心症である可能性が更に高くなりますので、ご注意ください。なお、狭心症の発作の症状が強くなったり、持続時間が長くなったり、あるいは発作の回数が増えたりする場合は不安定狭心症と呼ばれ、心筋梗塞に移行する危険性が非常に高くなりますので、早急にお近くの医院か循環器科のある病院にご相談ください。