健康で長生きする秘訣(息切れ編)

  前回は、動悸についてお話しましたが、息切れはどうでしょうか? 誰でも激しい運動をすれば息は切れますので、息切れがするからといって病気であるとは限りません。動悸と同じように、どのくらいの運動量で息切れが起こるかが問題となります。階段を3階まで、あるいは駅の階段を休まずに昇れるか、ご高齢の方は同年代の方と同じ速さで歩いても息切れしないか、などが一応の目安になり、これ以下の運動量で息切れが起こる場合は、注意が必要です。
 心臓が弱ってくると、「動悸・息切れ」が起こりますが、その他、足のむくみや夜寝た後の排尿の回数が多くなります。足のむくみ自体は心臓が悪くなくても起こりますし、特に女性はむくみやすい方が多いと言われています。しかし、それに加えて夜間の排尿回数が多くなると、心臓が悪くなっている可能性が高くなります。これは、心臓の働きが悪くなると、重力に逆らって下肢の血液を吸い上げる力が弱くなるため、立った状態が長く続くと血液が下肢に溜まってむくみが出やすくなり、夜横になると下肢と心臓の高さがほぼ同じになるので、血液が返りやすくなり、心臓が血液をたくさん出せるようになって腎臓の血流が増え、おしっこがたくさん作られるためです。夜の排尿回数が多くなる原因も様々ですが、@熟睡しているのにおしっこに行きたくて一晩に2回以上眼が覚める、A1回の尿量が多い、B昼間はほとんどおしっこに行かない、という状態がほぼ毎日続く場合は、心不全になりかけている可能性が疑われます。更に心臓が悪くなると、たくさん返ってくる血液を心臓が処理できなくなり、夜眠った後に急に息苦しくなって眼が覚め、座ったら楽になるという現象が起こってきます。心当たりのある方は、是非お近くの医院にご相談ください。